今月のベアフット

10月のこどもたち

あたりがだんだん秋の色になってきました。
日の出が遅くなったり、風が冷たさを含んだり、それに木々の葉も随分と色が変化し始めました。
夏の間色を競って咲いていた花々も、今はコスモスやシュウメイギクなどがやさしく風に揺れて季節の移ろいを実感します。

秋といえば実りの喜びの時でもあります。
先日年長組のKくんが、縄跳びの合間に寄ってきて「昨日、お父さんとどこに行ったかわかる?」と話しかけてきました。
「どこかなぁ。車で行ったの?」
「そう。山に行ったの」
「山に何しに行ったの?」ときくと
「キノコを採りに行ったんだよ」といいます。
「へぇーよかったね。それでキノコは見つかったの?」
「うん」
「なんていうキノコ?」
「マツタケに決まってるじゃん」
「あらぁすごい。それで食べたの?」
「今日お父さんのお誕生日だから今日食べるの。」
「どんなお料理をするの?マツタケご飯?それともスキヤキ?」とこちらの方が興奮してたたみ掛けると
「うん。多分そんなところ」といいました。
土地柄キノコ狩りはこの季節に盛んですが、マツタケのある山は入会権だとか、春のうちに一山を買う入札などかなり制限があるのでやはり特別の食材で、そんじょそこらでとって食べられるものではありません。
それをKくんはお父さんと一緒に山に採りに行って、それをお母さんがお父さんの誕生日のごちそうにお料理してくださるという何とゴージャスな体験をしたことでしょう。
お母さんがお料理してくれたマツタケ料理を食べて家族みんなが笑顔で満足している様子が目に浮かびます。
高級食材のマツタケを食べられることもうれしいですが、お父さんと一緒に山に出かけてマツタケを見つけて採り、立派な収穫を家族で喜び、そしてそれをお母さんがお父さんのお誕生日のために心を込めてお料理してくださるのをみんなで楽しみに待ちながらお祝いの日に食べるという喜びは、今なかなか得難いことのようにも感じます。

「収穫の喜び」を感じる尊さ、「食べること」それも「みんなで喜んで」食卓をかこむ喜びは幼い子どもが「幸せってなあに」の答えを体で感じることにつながります。
これからこの地では栗やブドウ、ナシやリンゴなどの収穫が盛んになります。
きっとお弁当にはストーリーつきの自然の恵みがたっぷり詰まることでしょう。
自然の恵みをみんなでおいしくいただくこと、それに勝る幸せはありません。

今、子どもたちは秋風の中、体も心も高揚させながら運動遊びを楽しんでいます。
それぞれの年齢ごと、体の大きさや動きなどを見ているとこんなに発達の段階がはっきりしているのかと改めて育ちの道筋と一人ひとりよく育ってくれているという恵みを感じます。
日々成長発達をしているこの子どもたちがこうして元気でいられるのもそうしたお家での幸せの源があるからに他ならないと思います。

副園長