うみべのハリー

ジーン・ジオン 文
マーガレット・ブロイ・グレアム 絵
わたなべ しげお 訳
福音館書店
ハリーは黒いぶちのある白い犬。
大好きな海辺に家族と一緒におでかけです。
海辺のことは何でも好きなのですが、かんかんでりのお日様だけは苦手です。
日陰に入ろうとすると、家の人のパラソルは小さいので満員で追い出されてしまうし、子どもたちの作った砂のお城に入ろうとすると壊れて追い払われるし、ふとったおばさんの影にかくれようとするとかんかんにおこられてしまいました。
かんかんでりの中、疲れ果てて波打ち際にすわっていると、まぁ大変。うしろから大波が押し寄せて頭の上からざんぶりこ。
気がついたら、ハリーには海藻がかぶさってもう犬ではなくおばけのようでした。
でもハリーはもう暑くありません。大喜びでうちの人たちのいる海辺に走り出しました。
まわりの人たちはびっくり。大変な騒ぎになりました。
ハリーはおかまいなしに走り回りうちのひとたちを捜します。、ホットドック屋の呼び声を自分を呼んでいる声と間違って、お店の前で思わずとびはねた時、海藻がするりととれて、ハリーの姿が現れました。
ハリーはうちの人たちと無事に会うことができたでしょうか。
この絵本はいたずら犬のハリーとその家の人たちとのあたたかい生活を描いたシリーズの中の一冊です。
1967年に第1版がでていますから、もう何代にわたって読みついでおられる方もおられるのではないでしょうか。
この絵本は子どもたちに大人気でベストセラーの絵本です。
小さな事件をおこすハリーのいたずらに付き合うお家の人とのほのぼのとしたかかわりがいい味を出していて、心があたたかくなる一冊です。