ぐるんぱのようちえん

西内みなみ さく
堀内誠一 え
福音館書店
ずっとひとりぼっちでくらしてきた、さびしがりやの象のぐるんぱは、大きくなって働きにでることになりました。
いちばん初めに行ったのは、びすけっとやのびーさんのところ。ぐるんぱははりきって大きな大きな特大びすけっとを作りました。でもあまり大きくて高いのでだれも買ってくれません。びーさんは「もうけっこう」といいました。
次に行ったのは、お皿つくりのさーさんのところ。ここでもぐるんぱは特別はりきって大きなお皿を作りました。でも大きすぎて、さーさんに「もうけっこう」といわれてしまいました。くつやのくーさんにも、びあの工場のぴーさんにも、自動車工場のじーさんのところでも、「もうけっこう」といわれてしまいました。ぐるんぱが作ったものをみんな持ってしょんぼりいくと、こどもを12人いるおかあさんに声をかけられました。
「こどもと遊んでやってくださいな。」
ぐるんぱは大喜びで幼稚園をひらきました。ぐるんぱはもうさみしくなんかありませんでしたって。
子どもたちが大好きな絵本です。
ぐるんぱがはりきって、特別大きなものを次々に作るのもおもしろい、特に大きなびすけっとを作った時は、わくわくしてしまいます。おいしそうだな、みんなでおなかいっぱい食べてもまだ残りそう。
そして、みんなから「もうけっこう」といわれたさびしがりやのぐるんぱがしょんぼりでていくところでは、ほんとうに悲しくてしよんぼりしてしまいます。
でも子どもたちがこのものがたりで一番楽しくうれしいのは、そのしょんぼりしていたぐるんぱが、大勢の子どもたちと楽しそうに遊んでいるところ。
心から「ぐるんぱ、よかったね」といいたくなります。