はなをくんくん


ルース・クラウス ぶん
マーク・シーモント え
きじま はじめ やく

福音館書店

 

ゆきが ふってるよ。

のねずみが ねむってるよ、

くまが ねむってるよ、

ちっちゃな かたつむりが からのなかで ねむってるよ、

りすが きのなかで ねむってるよ、

やまねずみが じめんのなかで ねむってるよ、

や、みんな めを さます。みんな はなを くんくん。

のねずみが はなを くんくん、

くまが はなを くんくん、

ちっちゃな かたつむりが からのなかから

はなを くんくん、

りすが きのなかから はなを くんくん、

やまねずみが じめんのなかから はなを くんくん。

みんな はなを くんくん。みんな かけてく。

のねずみが かけてく、

くまが かけてく、

ちっちゃな かたつむりが からを おんぶして かけてく、

りすが きのなかから かけてく、

やまねずみが じめんのなかから かけてく。

みんな はなを くんくん。みんな かけてく。

みんな かけてく。みんな はなを くんくん。

みんな はなを くんくん。みんな かけてく。

みんな ぴたり。

みんな とまった。みんな うっふっふ、

わらう、わらう。おどりだす。

☆白黒の絵で冬の景色と動物が描かれています。

そしてみんな何かの匂いを感じ、その元へと駆け出します。はたして、その先にあったのは春でした。春が何なのかはぜひ絵本を読んで納得してくださいね。

その春だけはこの絵本の中で唯一、色がついています。私たちが感じる冬と春もこのようなことかもしれません。凍てついたモノトーンの世界が色溢れる世界へとだんだんと変わっていく。

3月はまさにそういう世界でしょう。私たちの身の回りにもいろいろな春が隠れています。鼻をくんくんして、目を凝らして、もうすぐそこまで来ている春を見つけてみたくなる、そんなテンポの良い絵本です。

2020年07月21日